デントリペア技術者ライセンス取得 ~世界共通基準~
自身の経験から感じたデントリペア技術者ライセンスの必要性
まだデントリペア業界に入る前、私は自動車業界で現場作業を行いながらお客様からの修理・整備依頼等の受付を行っていました。常日頃から「お客様には分からないことが多くて当然。プロとしてお客様にとって最も有益な方法をご提案する」事が大切と考え日々、取り組んでいました。
ある日、お客様からドアのへこみの修理のご相談を受け、現車を確認させて頂くと国産乗用車の運転席ドアに3~4cmのへこみが一か所。幸い塗装に傷はありません。「お客様にとって最高の選択をご提案したい」との思いから、自社で鈑金塗装を行わず、外注業者へ依頼する事になる為利益は大きく損なわれますが「この位のへこみで再塗装は新車塗装がもったいないので、デントリペアという修理方法がありますのでいかがでしょうか?」当時、初めてデントリペアでの修理を受付けしました。
それ以前の職場でデントリペアを利用していたのは見たことがありましたが、その職人さんの連絡先が分からず当時の先輩に教えて頂きデント屋さんに連絡。さっそく修理をして頂きました。「ここまでだね」デント屋さんから言われ仕上がりの確認をすると、ヘコミがあった場所の中心に僅かな窪みが残りましたが、ヘコミはほとんど分からなくなり、私自身、鈑金塗装の経験も多少ありましたので「塗装せずにへこみが直る」「鈑金塗装と比べて圧倒的に短時間、低価格での修理を行えた」事にとても満足しました。
納車当日、お客様に修理箇所をご確認いただきます。「こんなに早く終わるんですね!有難うございました!」〈本当に良いもの〉をお勧めしたつもりなので自信をもってのお引渡しでしたが・・・
小さな窪みを指で触りながらお客様が言いました「これ以上は無理なんですよね?」
「はい」とは言えませんでした。はい、と自信をもって言える根拠が無いのです。
不安になりました。考えると、自分にはデントリペアの結果に対して何も判断材料を持っていません。お客様に対し、明確な説明が出来ずとても申し訳ない気持ちになると同時に、特に何も施工前後で説明もなかったので「問題なくデントリペアでの修理が完了した」と安易に考えてしまい、良いものを責任をもってご案内したつもりが、全く私の準備が足りていない事に気付きます。
「お勧めする以上、デントリペアの事をしっかりと知らなければ」と思いましたが当時は今ほどインターネットは普及しておらず、デントリペアについてはほとんど何も情報がありません。唯一の手段、クチコミも「上手い」「まあまあ」「もう二度と頼まない」など人によって意見が分かれる曖昧なものです。
以後、デントリペアというカタカナ6文字を知っているだけで、実際には何もわかっていないままお客様にご案内した自分に後悔し、デントリペアが不明瞭に感じ始め二度と利用することができなくなりました
実際にはデントリペアについてお客様、受付業者様が正確に全てを事前に判断する事はほぼ不可能です
あの時の仕上がりは、通常目線で見た時に決して苦になる様な状態ではなくむしろ、お客様も仕上がりには感心されていました。お客様が気にされたのは、知らなければ気が付かないほどの小さく僅かな窪みが残る理由。
- もしもあの時、既にデントリペア技術者ライセンスが普及していたら・・・
- もしもあの時、私が依頼した技術者がライセンスを保有していたら・・・
即答したでしょう「国際基準をクリアするライセンス保有技術者が適切な施工を行った結果なので、この小さな窪みが残るのは物理的な理由の様です」
- 受付、引き渡しをする私には明確な説明が出来る根拠が欲しかった
- もし私が消費者ならば「良い買い物が出来た」と納得したい
今まで、デントリペアでの仕上がりについて「適確な技術サービスを受ける事が出来た」と納得できる基準があったでしょうか。デントリペア技術者ライセンスの普及は、依頼者側にこそ本当に必要な理由があります
米国 ValeTrainingSolutions社による技術認定試験
ペイントレスデントリペア(PDR)が一般市場に広く普及し膨大な数の技術者を有する米国において、技術者個人の技術レベルを明確にする事が強く求められ、PDR技術者団体、損害保険会社の協力のもと、2003年に発足、整備されたライセンス制度です。専用の測定器を使用して判定を行う事で公平性が高く、世界共通の基準として支持されています。
「その技術者が一定の技術水準をクリアしているか」第三者にはあらかじめ判断できない不透明な要素が明確な形で解決されることから、ペイントレスデントリペアが普及した諸外国では、この【デントリペア技術者ライセンス】の有無は、保険会社等からみて非常に重要な物となっています。
ライセンスレベルは3段階
ライセンステストは、難易度の違いで3段階になっています。(カナダでは9段階)
            [Journeyman・ジャーニーマン]
            [Craftsman・クラフトマン]
            [Master Craftsman・マスタークラフトマン]
の順でテストの難易度が高くなります。いずれも、テストで作られるヘコミはリペアの基本となるサークルデント(丸いヘコミ)ですが、制限時間、禁止事項等、依頼者側の立場が加味された実践的なテストです。
弊社PDR技術者ライセンス認定証
デントリペア技術者ライセンス『Master Craftsman』〔ID No.10463〕認定
当店は2015年のライセンステストにて、米国Vale Training社よりPDR技術者ライセンスの最高レベルである【マスタークラフトマン】の認定を受けております。
ライセンス認定機関について
アメリカ本部認定機関『Vale Training』
デントリペアの資格制度は第三者機関の『Vale Training』が行っております。
 
            
            


